つぶやき

仕事の合間の気分転換

山﨑

サントリーシングルモルトウイスキー山﨑12年は正直自分には手の出ないお酒である。にもかかわらず我が家にあるのは、父親が家飲みしない人だからだ。

年取りに行った際、実家の酒棚でずっと埃をかぶっていたそれをいただいた。
母曰く「そこにいつからあるのか分からないくらい前のいただき物」ということだから、樽で12年のあと実家で十数年ほど寝ていた酒だ。

母「どーせ飲まないんだからもってきな〜」「わ〜い」

今ではすっかり焼酎の人だが、かつては飲み屋街に大枚を落としていた父への見返り品だろう。昔からそういうもらい物が多い人だった。というわけで「寝酒のウイスキーがきれていたところだから丁度いいや〜」と気軽にもらって帰った。

しかし、封を開けるときはすこし気後れした。桐箱といい鉛の封といい、分不相応を実感するのに充分な演出だ。実際に飲んでみると自分が今まで飲んできたどんな蒸留酒よりも高貴な香りがする(ような気がする)し、味が深い(ような気がする)。

家飲みオンリーな自分は、酒屋でも日本酒の棚しか見てないし、寝酒にしても近所のスーパーでジョニ赤を買って、空けるのに数ヶ月かかる。だから「山﨑はちょっと高い」程度の認識だった。けれども、ネットで調べて自分の認識と価格帯がまるで違っていた事実(倍だった)を知った今では、父親が風呂に入っている間に気軽に行われた母とのやりとりをすこし後悔しながらも、心にゆとりのあるときには、ちびりちびりと楽しむようになった。

父の日には、ちょっと時間をつくって実家に顔を出そう。そう思えた。

 

そして、次の狙いは、さらに昔からあるレミーマルタンだ。